個人的に大作を消化しきれない病がある。若い時にみて消化できず改めてみても消化できない。要は感動しない。
フランス人との会食の中の会話が全てだとおもう。説明が凝縮されている。ここを少しでも理解できないとこの映画を観る意味が薄れる。
「君らアメリカ人は何のために戦っている?歴史にも前例のない無意味な戦いだ。」
世代に渡りベトナムで生まれ、育ち、開拓したフランス人一族の憤りはわかるが、そこはベトナム人の土地である。
長期化する戦争、意味も理由もわからなくなっていく状況の中で次第に人が狂気にさいなまれていく様を描いている。
その様子を、すごいお金をかけた撮影で、迫力満点に描くので、説明されるより身に染みる、五感に訴える作品にしている。ぶっちゃけ、何人か本当に死んだんじゃないかというくらいの映像。
戦争の狂気と無意味さをここまで極限に示したのに、現実世界は反省することなく戦争を繰り返す。プーチンはこの映画を観たことがないのかもしれない。
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