静謐で等身大で素晴らしい映画です。ヴェンダースの趣味も品がいいです。朝日のあたる家ではじまり、ルー・リードやヴァン・モリソンやキンクスやなんやら素晴らしい選曲を経て最後はニーナ・シモン、
まるで自分を見ているようですが、自分と違うところは役所広司がかっこよすぎる、トイレが掃除の必要がないほどキレイすぎる、さらには石川さゆりに三浦友和など、美意識高すぎ、イケてる顔面の人達ばかりなのです。
本当はたこ八郎とか蛭子さんとかなぎら健一が主人公でリアリティが成り立つストーリーです。
ピースとか角ハイとか、幸田文「木」とか、ヴェンダースが知ってて挿入したのか、電通の知恵か、クールでかっこよすぎる点が気になりましたが、「足るを知る」という意味で優れた作品でした。
これが男の「PERFECT DAYS」といえる生活だが、その先には孤独死がある。孤独死というのは万物の自然なのか、人としては迷惑行為なのか、それが未だに私にはわからない。
家族を失えば、私は100%孤独死をする。
全然違うけどやっぱり「パリ・テキサス」の監督なんだな。
主人公はいい人です、でも身勝手でもあります。
役所広司の最後の涙の意味はなんだろう、彼にも離れた家族がいるのだろう。