ティム・ロスが出ているけど、ハリウッドやイギリスの映画でないのは、そういう作風では全くないから。音楽なしのドキュメンタリーのような作り方。介護士の苦悩、患者の苦悩、家族の感情、とてもリアルに丁寧に描かれている。果たして救命なのか延命なのか、何の意味があるのか、ないのか、しかし誰だっていつか望み通りにはいかない死が訪れる。邦題がミスリードで原題は「Chronic」(慢性)という。死に対し慢性化してしまったが故のあの結末なのだろうか。とても厳しい現実を描いた秀作だが辛い。世の中介護の求人ばかりになった。安楽死についても再考すべき時だ。マーサはそれでいいのだろうが、手を貸すデヴィッドはどうすればいい?ラストのちょい手前、映画最後のセリフが青年の「うるせぇ」に笑った。秀逸。
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