ふと、キム・ギドクのDVDとかは将来高額になるかもしれないな。韓国では忌み嫌われ、なかったことにしたい監督、作品だから、闇に葬られるかもしれない。だからこそ価値がつく。
けれどそんな事はどうでもよくて、この作品は昔観ていい印象だったが、彼の作品の中では影が薄くて記憶にも残らないかもしれないけれど配信で復活していた。
なんといっても「悪い男」のインパクトが強くて「悪い女」の影が薄いがこちらの方が救いや希望がある。みんな下衆でクズだが、優しさを持っており、悪魔、怪物のような人間は出てこない。
キム・ギドクの特徴として、間とか奥行とかがない。アキ・カウリスマキのようないつも同じ世界観と様式美がある。しかしそのテーマがいつも人間の性と本能(暴力と死)なのだ。
マンガのように飽きずサクサク物語は展開していくが、低予算映画ながらも、被写体や構図がとても美しく芸術的なカットが多い。やはり天才だ。
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