2001年と古いがこれがカンヌのパルムドールを受賞した。ほぅ、こんな映画が?という小品だ。主人公は監督、主演、脚本、40歳にして世界三大映画祭すべてで賞を受賞した、イタリアを代表する監督だそうだ。
愛する子供の死を乗り越えていく家族の物語で主人公は精神分析医。患者が多様で曲者ばかりでイタリアだからかよくしゃべる。みな詭弁家過ぎる。そこがとっても映画的。
すべての演出がさりげなくて、軽やかで洒落ている、センスの良さ、話は重いがこのそよ風のような雰囲気が評価されたのだろうか。どこか村上春樹的だ。
結局人生は神のみぞ知る、精神科医だろうが患者だろうが子供だろうが、私はこうおもう、あなたはこうおもうの堂々巡りであり、そこに正解も導きもないような気がしてならない。どんな立場の人であろうと、この人の雰囲気は好きだな、あの人は嫌だな、くらいの感性と判断で人はみな生きているだけなのかもしれないと感じる作品でした。
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