痛快で観やすい韓国映画の中では地味で暗そうで重そう、つまらなそうな作品の印象だったが観る価値はあった。
加害者家族、とりわけ父親が連続殺人鬼で母親に捨てられた過去を持つ息子は人生が呪われていて、まともな職に就くことも、平凡に暮らすことさえ出来ない。
その辛さ、過酷さを嫌というほど描いていくが、夢と現実が錯綜しており、エンディングなどよくわからないところがあって調べてみても、この作品を解説しているようなサイトはほとんどなく、評価も低い。
悪い映画ではないとおもうが、あまりにも、観たくない、嫌な世界を描いているので、みんなから敬遠されているのだろう。情報が少なく埋もれていきそうな作品だ。
それでも「お前は何も悪くない」と見捨てない友人や、最後には過酷だけどまっとうな仕事に就けそうだったのに、自暴自棄になり前を向くことが出来ないのであれば、終止符を打つしかないだろう。
韓国映画では、港の食堂で、とれたての海鮮を刺身にしてチャミスル飲みながら食べるシーンが多い。とってもうまそうだ。
こうやって彼の父は海鮮をさばくように人間をさばいた。