ケリー・ライカート監督のデビュー作。アメリカ的で、低予算、インディペンデント、ロードムービーの古典ともいえる作風。田舎の冴えない容姿の貧乏人の、やり場のない、行き場のない焦燥感をコミカルにシニカルに描く。冴えない男女のどこにも行けないロードムービー。でもそれは我々そのものだ。その虚しさ、アホらしさがシュールに滲み出ている。アメリカのインディペンデント映画は若者が観るべきだろう。人生の糧になるかは別として。みんな誰かに憧れてクールにセレブに生きたいと願うんだろうが、みっともなく生きて死ぬ、それだけで結構なのではないか。
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