原題「Night Moves」には日本人にはわからない深い意味があるものとおもうが、邦題「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」だとB級アクションものとしかおもえなくなる。しかし監督はケリー・ライカートなのだからB級エンタメではない。計画的に犯罪を実行しても、期待した結果も心も満たされることなく、こんなはずではなかったと破綻していく物語。仲間は仲間のようでいて仲間ではなく、各々の生活は思想の体現のようでいて満ち足りたものではなく、やっぱり孤独の闇と生きづらさを描いている。とてもリアルで身に染みる、相変わらずすごい監督だなとはおもうけど、映画は正直つまらない。ケリー・ライカートはこれでいいのだ。つまらない作品を観たあとに何か大きな気づきを与えてくれる。何も疑わない、おめでたいバカで生きて死ねたらどんなに幸せか。
コメント