重慶の屋台は今も同じ名残を残しているのだろうか。かなり昔に観た作品だが、その時代の空気、匂いに惹かれる。主人公は妖艶な女だが、親が出ていき、ヤク中の弟や親戚の問題などを山ほど抱え、女一人でなんでもやって逞しく生きている。彼女自身も孤独で寂しいのだが決してめげない。いい雰囲気になった男も愛人関係を望んでいるとわかるとバッサリと切る。「この男は経済改革の波に乗って一気に金持ちになった男。 商売をやっている男でそんなにカッコいい男はいないと思うし、 もしアラン・ドロンのようにカッコよかったら、 一年も通わなくても一週間もあれば彼女は落ちるでしょう」とは監督談。女一人でも生きていくという逞しさと潔さ、強さ、クールだ。鴨の首を肴にいつまでもビールが飲みたくなる。エンタメではない大人の映画。原題は「生活秀」
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