こんな地味なテーマでよくぞという作品です。
私にも似た経験があり、少しだけ就業していた会社で資本金だけはすごいが、業績はひどくリストラが始まり、私はこんな仕事はお遊びだ、新規で採った若者を育てもせず解雇するなんてひどいと暴れまくったが、私自身は優秀だったので(自慢ではない)残って欲しいと言われたが、意味がないと思い退職した。
こういう窮地の会社ほど、創業メンバーや役員を残し、下を切るが、経営陣が無能だからそんな状況に陥るのです。切るべきは創業メンバーや役員なのです。それは政治も同じです。
こんな経験があったから以降はどこにも勤めず自営業の道を選んだ。そして今も泥水を飲んで生きているがもう組織は無理と悟った。お遊戯は終わりだ。
ほとんどの会社、仕事がお遊びでありゲームであり、存在しなくて構わないものだが、そこに人がいて出会いがあり、居場所がある。組織とは生活費を稼ぐための学校と変らないのだが、そこと家庭が全てになるのでずっとその狭い檻と、仕事と、人間関係に囚われて生きることになる。謙遜、媚び、恋愛、いじめ、忖度、ストレスなどが狭い檻に集約されていく。
サンドラ夫妻の生活、同僚もそうだが、あまりにギリギリなのに、なぜ生活レベルを落とさないのだろう。ギリギリなのに子供を2人も生むのだろう。夫はサンドラをひたすら鼓舞するが、だったらお前が死ぬほど頑張れよ。
そこまで執着し、そんな辛い週末を迎えるならば、もっと別の生き方、考え方もあるのではないかなと、共感はできなかった。
しかしながら、地味すぎるテーマなのに魅せる監督さんで、今作はバッドエンドを予想したが外しました。
地味すぎるので高評価は出来ないが、このテーマでよくここまでシリアスに作ったなと唸りました。