実話に基づくフィクションで「ゴッドファーザー」のようなトップファミリーではなく街でシノギを削る末端のチンピラの話なのでよりリアリティがある。
「まともな稼業はアホだ。つまらない仕事でケチな金をもらい、毎日地下鉄で通う奴らはクソ食らえだ。タマも付いてねえ腑抜けだ。欲しい物は奪い取る。文句をたれる奴はたたきのめせば黙る。余計なことは考えない。」
「組織の奴らは前触れもなしに相手を殺す。何も言わない。映画みたいに言い争いなどしない。殺し屋は親しげにほほえみながら現れる。最も助けが必要なとき、力になってくれるべき者が冷酷に忍び寄る。」
現実なんてこんなもので、子供のころからマフィアに憧れその通りの人生を歩んだが、あっという間に崩壊し、最後は司法取引で仲間を売って自分だけ逃げ隠れ、報復を恐れながら怯えて生きていく。
男も女も下衆ばかりだが、こんな生活に憧れを抱くならマフィアにでもなんでもなればいい。けれどなる前に、若い時に一度は観ておいた方がいい。
決して美化しないマフィアの醜悪さ、卑劣さ、貪欲さなどをまじまじと感じられる作品