やっぱりスティーブン・ソダーバーグという監督は只者ではない。とても自分の感性に合う。「コンテイジョン」に似ていて、ドキュメンタリーではなくフィクションだし、役者も撮影も演出もしっかり映画な作りをしていながら、世界の不都合な真実にガンガン迫る。内容はフィクションとはいえない、現実に起きていることそのもののようにみえる。
病気、特に精神を病むと人は専門家と称する人に頼り、ペラペラと語り、出された薬をホイホイ飲むが、それが一体何を意味し、自分がどのようになるか全く警戒していない。
精神科はいじめや虐待などで度々報道されたりしているが、そもそもの構造がそのような体質になりがちだし、嫌な人に接する日常はいじわるしたりいじめたり支配したりするようになってしまう。精神科で一番病んでいるのは医師であり職員の側である。
そこにストーカーも交えてソダーバーグはエンタメ要素も入れて魅せてくれるが、病院というのはビジネスなのだから、健常者も取り込まれるところが一番問題だ。
僕は超楽しめたが万人向けではない、というのがソダーバーグ流なのかな。
B級C級の小作品を作りながら実は超A級の才能を感じる。
全部i-phoneで撮影した?
そんなチープさはほとんど感じなかった。