ダルデンヌ兄弟の映画はこれから折をみて鑑賞したいとおもうが、視線、テーマ、作り方というのはこれときっと同じなんだろう。手持ちカメラ、貧者のリアル。
ただただロゼッタが人並の仕事と生活、尊厳を求めて懸命にその日をサバイブしていくだけの話だから同じことの繰り返しだ。何度も何度も長靴に履き替えて食べれる魚の仕掛けを変えに行く。
ボーイフレンドっぽい男が出来ても、彼を裏切ってでも仕事を奪う。男は当然怒りと復讐に駆られるがやり返すのではなく赦す。
親ガチャというか、私はここまで子を苦しませたくないから踏ん張っているだけ。
身に染みるけど、清貧などという言葉は偽善としかいえない、断面の切取りかたが素晴らしい監督だ。しかし決してメジャーヒットする監督ではない。
世の中はこういう現実に目を背けたがる。なきものにする、観て損した、つまらなかった、忘却の彼方に封印する。
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