邦題がとても陳腐で悲しいが、「マッターホルン」と言われても観た人しかわからないから仕方がないか。これは一体なんなんだ、こう来るであろう、予定調和をなんとなく、緩やかに裏切りながら、シュールでクスっと笑えるシーンも多く、映像もきれいで、そこそこ楽しめるからまあいいかと見続けていたら終盤に一気に感動が押し寄せ、本当に観てよかった名作となった。テオはほぼ動物であり、息子の歌は天使の声だった。主人公は旅行資金をコツコツ貯めている、恐らく信仰心の深い貧困層の人だとおもうけど、佇まいは紳士だし、ヨーロッパ映画というのはいつだって部屋が広くて調度品が美しい。ヨーロッパ映画好き、シュールなコメディ好きならおススメです。アキ・カウリスマキに負けないくらいの感動をもらえます。ふざけたシーンもあるがこれは名作です。
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